新潟県新発田市十日町市結建築設計室  阿部正義の日々ログ 
by yui-arc
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
コーヒー
sketch book
works
大地の芸術祭
これ食べた
自給作戦
さんぽしゃしん
studio*H5
こんなモノ
こんなとこ行った
未分類
ライフログ
====リンク====
フォロー中のブログ
松之山の四季2
irei blog
OMソーラーの家「Aib...
ひだまりミュゼ pho...
ひなたの場所
スタジオ紡
ひとりごと
のんたんのデジタルな風景
神戸ポタリング日記
伊藤寛のblog
日月出づる処より
コイワびと。
セノのセブログ
のんびりニイガタにっき
プチ田舎Life wit...
笑う不動産屋
| news設計室 |・...
日日日影新聞 (nich...
タマケンブログ~工務店の記録
Squat Shop Blog
im Bau
兵庫 神戸 須磨の一級建...
BLOG | GARRO...
ブログパーツ
タグ
(4)
(2)
(2)
(2)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
(1)
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
夢の我が家への道・・・その3
住宅基礎・・・皆さんご存知のように現在の木造住宅の基礎は鉄筋コンクリートで造られるのが一般的です。
当たり前と考えるこのようなことも二階建て木造住宅の規模では実は明確に基準法で定められているわけではありません。つまりは無筋コンクリートでも条件次第では法令違反に当たらないのです。
建築基準法があくまでも最低の基準である事がこの事からも伺えます。

「うちは建築基準法に基づいて施工しているから大丈夫」とは、何に対して大丈夫なのか・・・
まったく的を得ない言葉だという事が理解できるでしょう。
小規模木造住宅に関しては断熱・耐震・気密のどれ一つとして具体的にそのレベルを基準法では定めていませんから。
そもそもそういう事を言う人ほど建築基準法はあまり知らなかったりします。

私だって熟知しているとは言い難いと思います。

閑話休題。

基礎には「直接基礎」と「杭基礎」が有ります。
木造住宅の場合、ほぼ100%直接基礎と呼ばれるものです。

その直接基礎の中の種類に「べた基礎」・「フーチング基礎」が有ります。
良く耳にされる「布基礎」は「連続フーチング基礎」とも言えます。

先日、構造の専門家の方の講義を受けてきて非常に嘆いておられた事の一つに
「ベタ基礎神話」というのが有りました。
そのあたりが今回の主題です。

建物の重さは柱や壁を伝わりその力は基礎を介して最終的に地面が受け止めます。
建物が重いほど、また地盤が軟弱なほどその接地面積を広げればよく
堅い地盤ならそれなりに接地面積は少なくて済むわけです。

ベタ基礎とは建物の底の部分全てで受けようとするモノで、当然沈下に対しては
最も有利と言えます。

この見た目の頑強さと理屈の明快さのみが独り歩きをして「ベタ基礎神話」なるモノが
蔓延しているようなのです。

地盤がそれなりに弱くて「ベタ基礎」を選択する事は正解。

地盤はそれなりにいいのだけれど一応ベタ基礎に・・・もまあ思想として構わないと思いますが
ここに一点問題が出てきます。

ベタ基礎は「プランを選ぶ」と言う事です。
ベタ基礎の構造は鉄筋コンクリート構造の2階の床部分をひっくり返したモノと考えてもらって良いと思います。床スラブは周囲の梁と一体となって荷重を受けます。スラブの配筋がビッシリと入って如何にも強そうですがこの辺がまず惑わされる一点目。そして柱から落ちてくる鉛直荷重間距離が飛んでしまうとべらぼうな地中梁がドーンと出現したりします。

これは即コストに跳ね返ります。
一応のベタ基礎なのに無意味なコストアップ・・・
まあ、そこも呑み込んでの施工なら止める術はありませんが、無駄な材料は環境配慮とはかけ離れますね。

で、地盤がベタ基礎でも沈んでしまうくらいに弱い場合はどうすれば良いのか?

ここで地盤改良が登場です。
改良する深さが1M程度なら「表層改良」。それ以上の深さなら「柱状改良」を選択するのが一般的だと思います。
表層改良は文字通り「軟弱な地盤を固めてしまえ工法」です。
柔らかな土にセメント粉を混ぜてかちんこちんにしてしまいます。

学生時代にそれを知らなくてスウェーデン式サウンディングを敢行し
あまりの堅さに涙した経験が有ります。
当時は100KGを手で載せていましたから・・・塚田君ありがとう。
バカ丸出しですね。

地盤調査が不可能なくらいに堅く締まった地盤の上にベタ基礎・・・私は直接見た事はありませんが
いろんな人の話しぶりからするとやっているところが有るのかもしれません。
ここまでくると専門家としてどうかと思います。
万事その調子で家づくりを進めているのかと考えてしまうのです。

柱状改良は全面ではなくオーガーを用い円柱状にポイントで行うことで深い場所の支持層まで到達しようとするものです。
これとベタ基礎との相性を考えてみましょう。
ベタ基礎は建物の底面全体で支える事になるためにその場所に均等に割りつけて施工する必要が有ります。
当然割り付け方によっては必要本数以上の柱状改良が必要になる場合もあります。
しかし、現状いろんな現場を見ていると本数が増える事を嫌ってか基礎梁の下のみに施工しているところが多いようです。こうなるとまたまたその専門家としての見識を疑いたくなってしまいます。

そもそも基礎梁はその幅が60センチもありません。
せいぜいが30㎝・・・一般的には15~20センチでしょう。
その細い梁が直径60センチのせっかくの柱状改良体の上に載りきらないのです。
荷重を負担しないスラブなら初めから必要ありません。

テキトーとしか思えません。
計算の根拠が有るにしても(多分ありませんが)理にかないません。

その点、布基礎は底面の幅を50~60センチとすることでしっかりと柱状体の上に載りますし
柱の鉛直荷重分布によって改良体のピッチを調整できる。
極めて相性が良いと言えます。

ただ耳触り良く「ウチはベタ基礎だから安心です!」は
「建築基準法を守っているから安心です」と言っているのと同じで
何を言わんとするのか・・・専門用語で煙に巻く代表格です。

プランでも構造でもまず大切なのは全体計画です。
部分に固執するあまり適切な施工を行うことが難しくなっている逆転現象も有ると聞きます。

残念なことにこれらは仕方のないことかもしれません。
書店等でチラ見する住宅関連記事にも「ベタ基礎神話」を助長する様なものが有りますから。

文系記者に今回書いた内容をいきなり理解せよとて無理な相談かもしれません。
聞きかじりで書いた記事と言うのは案外に氾濫しているのではないでしょうか。

同じような事は住宅展示場でも起こっている可能性が有ります。
文系営業マンが知ったかぶりの先輩に教わった浅い知識で来場者を接客するパターン。

自信満々に言われれば信じますよね、ベタ基礎以外はあり得ない・・・みたいな事。
別の構造家の方はテキトーなベタ基礎が多いとも言っていました。
アカの他人の現場で検査員にそれを指摘すると「図面チェックをしているだけですから・・・」と。
構造計算の重要性がどんどん高まってきますね。

長文になりました。
[PR]
by yui-arc | 2011-07-02 13:16 | こんなモノ
<< メール 夢の我が家への道・・・その2 >>